2009/03/24

イヴが生まれるとき

万来堂日記2ndさんがこちらで取り上げていたアニメ『イヴの時間』を観た。まだ途中なのでなんとも言えないが、ディックかどうかはともかく(劇中で何度も引用されるのはアシモフのロボット三原則)、たぶん十数年後にアンドロイドが普及する時代が到来した時、間違いなく起きるであろうアンドロイドに人格や人間性はあるのかイシュー、またアンドロイドと人間がどのような関係を築いていけるのかイシューを重くなりすぎずにコミカルな青春モノとして描いている。そうなった時のケーススタディを無理のない近未来という現実に即した形で探ってる感じ(まぁ、僕の苦手な萌え要素も当然入ってくるんだけど。ほんの匂わせる程度だが、セクサロイドの存在にも言及)。

苦手ついでに書くと、産総研:プレス・リリース 人間に近い外観と動作性能を備えたロボットの開発に成功というニュース、あくまで個人的な感想に過ぎないが、極めて日本的オタク文脈におけるヒューマノイドの受容で(ありていに言えば有名造形師にキャラクターデザインを頼んだ、みたいな)、この造形感覚が近未来にありふれてる図を想像すると・・。ジャパンメイドの人型ロボットって昔からアトムやマクロスなどアニメやマンガへのオマージュをナイーブにヰタ・セクスアリス的に捧げたような造形が多いから(これは偏見かもしれないが、宮沢賢治あたりまで遡る母性愛と幼形成熟=ネオテニーとサブカルチャーの日本独特なミックスにもつながっている)、この展開は国民性というか頷けるものがあるけど。

『イヴの時間』は『電脳コイル』ほど設定に凝りすぎる印象もなく、カメラワークと心理描写の丁々発止が非常に巧みだと思った。吉浦康裕監督は過去作品の『水のコトバ』がなかなか斬新で、押井守『天使のたまご』の影響下にありながら、押井ほど難解・晦渋にならずに(世代の違いも大きいと思う)、ダイアローグと映像が小気味よく突っ走っていく作品だった。

white-screen.jp:Yahoo!動画で人気を呼んだ、吉浦康裕監督作品オールナイト上映「イヴの時間 act03」3月28日だそうです。
 

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