2009/03/24

ヴの表記について(その1)

プロの校正の方が見れば、このブログのテキストもグダグダなのは自覚しているつもりだが、文章を書くときは、最近はなるべく「ひらく」ように留意している(校正の用語で、「ひらく」=ひらがなにする、 「とじる」=漢字にすること)。

「等」は「など」、「事」は「こと」、「物」は「もの」、「時」は「とき」、「今」は「いま」、「所」は「ところ」、「全く」は「まったく」、「全て」は「すべて」、「皆」は「みんな」、「後」は「あと」、「幾つ」は「いくつ」、「一つ」は「ひとつ」、「一人」は「ひとり」、「何か」は「なにか」(*)、「何故」は「なぜ」、「比べて」は「くらべて」、「確かに」は「たしかに」、「既に」は「すでに」、「分かる」は「わかる」(*)、「出来る」は「できる」(*)

よく使う「ひらく」言葉を列挙すると、こんな感じ。*印はたまにどちらか迷うもの。最初から「ひらく」と決めていたわけではなく、だんだん「ひらく」ようになってきた。その方が読みやすく、視覚的にも軽く見えるから(自分の文章のカタさを多少なりとも和らげたいという悪あがきでもある)。このブログも、たぶん過去のエントリーに遡るほど「とじて」ってるハズ。「ひらく」方が単純に気持ちよくなってきた、というのが正解かも。どっちが正解というのはないと思う。

英語がアルファベット26文字ですべてのワードを表現(!)するのにくらべ、日本語は同音表記で平仮名、片仮名、漢字の3種類(+外来語)が入り交じるケオティックな情報空間に、数字は漢字か?アラビア数字か?さらに半角か?全角か?という選択肢が加わり、わずかな文章を書くだけでも実はかなりのストレスとカロリーを消費している気がする(笑)。数字はたいてい半角数字にしてしまうが、その方が変換の手間がかかるのがまたストレスフルだ(9や15のような全角数字がいまだに許せない人なので)。

あと、二重括弧=『』はアルバムのタイトル、一重括弧=「」は曲のタイトル、映画や本のタイトルは『』にすることが多いがこれも人によってマチマチだろう。場合により、「コト」や「ワケ」や「カタチ」など、あえて片仮名表記でポップにするという、わざわざ説明すると野暮だよなーということもよくやる。迷うということはルールが自分の中でキッチリ定まってないということでもあるが、たぶん、誰もがナットクする正解はないと思う、だからややこしい。

上記に加え、自分だけかもしれないが妙に気にするのが、「V」を含む英語の片仮名表記を「ヴ」にするかどうか。もともと外来語なんて、ネイティヴな人からすればほとんど正確さを欠いた現地に最適化された摩訶不思議なホニャララ語だろうから、こだわるなんてそもそもムダなのか。そういえば、ピーター バラカンが『猿はマンキお金はマニ―日本人のための英語発音ルール』という近著でそのへんの矛盾をつついている。こちらの特設サイトで、バラカン氏本人による発音チェックが聞ける(イギリス英語なのでアメリカ英語とは違う、念のため)。

この重箱の隅をつつくような「ヴ」問題がずっと気になっていて、「ヴ」を使うのは結局、英語に憧れてるだけのカッコつけに過ぎないんじゃ?というミもフタもない感想も出てくる。長くなったので、次のエントリーにて。


mnemonic memo: 「ー(音引き)」のナゾ
  

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