2008/10/17

Dokaka

Dokakaが遂にアルバムをリリースするようだ。タイトルは「Human Interface」。詳細はHuman Interface特設ページで。

地道にライブ活動をしているという風の噂は聞いていたが、喜ばしいニュースだ。Dokakaと言えば、ビョークが「メダラ」で起用したヒューマンビートボクサーという肩書きがどうしてもついて回る。熱するのも冷めるのも早い流行り廃りの激しい音楽の世界でそのアドバンテージが有効な内にアルバムを作ってほしいと当時ヤキモキしたものだが、本人は至ってマイペースで我関せずなのが結果的によかったのではないかと思う(と同時に、一過性の現象面しか見えてない自分の了見の狭さを改めて感じる)。

ヒューマンビートボックスというのは、ライブ感のある「芸」、パフォーマンスとしては滅法面白い。しかし、それを録音物としてパッケージングするのはなかなか難しいのではないか。例えば、大きくヒップホップというジャンルに括られるだろうアフラ(Afura)にしても、プレフューズ73や石野卓球やタッカーといった外野のアーティストとコラボることで、芸風に幅を持たせている。つまり、そうしないと、一枚のアルバムとして持たないのでは?と思う。

Dokakaはヒップホップ寄りのアフラとは違い、キング・クリムゾンの「21世紀の精神異常者」を口だけで完コピするロック青年で、多重録音愛好家である。まぁ、正直、ルックスもBボーイではなくAボーイである。ハイプでヒップでオサレな流行音楽とは元より出自が違う。だからか、ゲームとは親和性が高い(実際、ゲーム関係の仕事もいくつかやっている)。その特異なオリジナリティの料理の仕方を間違えれば、ワケわからん企画モノになる可能性が高い。

ここからはタダのつまらない思い出話なので興味のない人は読み飛ばしてほしい。

4年前の年末、元Demode Recordsの立花さんとの共同企画で「NakedWildChild」というイベントをやった。約3ヶ月間、かなりのエネルギーを注いで準備したが、当日フタを開けてみると、集客は芳しくなかった。カウントダウン以外の年末イベントはお客さんの財布のヒモが締まるというジンクスがあり、追い打ちをかけるように雪が降ったのが決定的だった。DJ Kensei、竹村ノブカズと大御所を含めた出演者のパフォーマンスは素晴らしかったので、今でも胸が痛む。

Dokakaはウッドベース+ギター+ターンテーブルというバンド編成だった(実は、このイベント以前にもDokakaが出演したイベントに僕は携わっている。その時はハードディスクレコーダーとマイクによる多重録音ソロライブだった)。事前にリハを重ねたにも関わらず、今だから言えるが、出来は悪くはないがもうひとつ突き抜けられなかった。ジャズをルーツに持つ吉田兄弟のソフィスティケイトされた音楽性とDokakaの個性がうまく噛み合わなかったのが理由だと思う。噛み合わないなりのズレた面白さが出ればよかったが、そういう感じでもなかった。

たかが一回のライブでエラそうな言い方になってしまうが、これから世に出るべき新しいアーティストの個性をうまく引き出してプロデュースするって難しいんだなと身にしみて思ったのだった。告知用に作ったNakedWildChildのブログが残っていたので一応リンクを貼っておく。

思い出話、終わり。

特設ページの音源をチラ聴きする限り、他人の手が加わっている様子はない。自宅で作ったデモをそのまま音源化したような感じだ。88曲(!)+DVDという仕様は、素のDokakaとほぼイコールだろう。下手にオーバープロデュースして失敗するより、ずっと堅実で誠実なパッケージングではないだろうか。「マウス・ミュージック(Dokakaは自分の音楽を口音楽と言っていた、ヒップホップ由来のヒューマンビートボックスより、この言い方の方がシックリ来る)」の面白さやユーモアが、より幅広い層に受け入れられるといいなと思う。当時から思ってるんだけど、Dokakaがポンキッキのような幼児番組に出演するとウケるんじゃないかな。

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