2010/08/15

SUM/ME/R



もともと5月に児玉画廊で行われた「デザイン茶会」というケンチク系イベントのオープニング前後に流した静かめな曲を、改めて配布用のコンピとして選曲し直したものです。振り返りモード全開な、わかる人には丸わかりなベタで恥ずかしい選曲ですが。

こうして集めてみると、僕が勝手に標榜している「壁紙音楽」というのは、情景描写音楽なんだなと。エレベーター・ミュージック/スーパーマーケット・ミュージック/ミューザックみたいに聞き流せる音楽だけど、ディープ・リスニングにも耐えうるような、中間項の音楽なんだと思います。

どの曲も、昔よく聴いてたり、最近部屋から発掘して改めて再発見したものだったり。春に引っ越ししたときに高校、大学、社会人になってから作ったコンピレーションのカセットテープがわんさか出てきて、同じようなことを飽きずに何十年もやってきたんだなと呆れました。

(以下、曲紹介をちょっとだけ)

アルファはFEED@SIGNでレギュラーでやってもらってるIWALSKY君がある日かけていて、そういえば!と思い出しました。まさに日だまりダブ。

ガブリエル・ヤレドのサントラ「ベティ・ブルー」からボサノヴァのリズムでメインテーマを変奏した曲は、打ち込みによるサンプリング音が次第に絡み、ウォリー・バダルーのようなクールネスを醸し出しています。このような響きがなんでもありになったゼロ〜2010年代にナゼ継承されないのか、というのは僕の中でひとつの課題です。

ヘルメート・パスコアールは、この並びの中で一番古い録音ですが、多重録音された管楽器のアンサンブル、生音による饒舌なミニマル・ミュージック、その瑞々しい響きの強度にヤラれます(録音が飛び抜けていいのもありますね)。

マッドリブの音はジャクソン・コンティに限らず、デカイ音で聴くとダンス・ミュージックとして機能し、そうでなくてもリスニングに最適化されるという、理想的な壁紙音楽です。イヴァン・コンティのドラムが最高。

オザケンに関しては同時代の人ながらあまりちゃんと追いかけてなかったのですが、「毎日の環境学」はそのエコロジカルなパッケージをウソっぽくしない内実のあるポストロックとワールドとダブが混じった素晴らしい演奏が詰まってます。


SUM/ME/R
- SUM of MEmoRies of SUMMER -

01 Tiki Tiki Too - Chari Chari
02 Penguin Cafe Single - Penguin Cafe Orchestra
03 Download Sofist - Mouse On Mars
04 Modular Mix - Air
05 Hazeldub - Alpha
06 Chile Con Carne - Gabriel Yared
07 Banda Encarnação - Hermeto Pascoal
08 Praça da Republica - Jackson Conti
09 The Sea (I Can Hear Her Breathing) - Kenij Ozawa
10 Sprout - Masayasu Tzboguchi Trio
11 Discover Tokyo - Shuta Hasunuma
12 The Suspension Bridge At Iguaz' Falls - Tortoise
13 Journey's Homes - Savath & Savalas
14 Shisheido - Christian Fennesz
15 Vacant - Combo Piano
16 Cavatina (Myers) - Hiroshi Fujiwara

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