ひとつ前のエントリーの続き。
お手軽すぎて恐縮だが、Google Trendsと、その進化版、Google Insights for Searchで比較検証してみた。Google Insights for Searchの方がより詳細で、その言葉と関連づけられる検索ワードのランキングも出る。Google TrendsにあるNews Reference Volume(おそらくGoogle Newsのデータを元にしたグラフで、全体とニュースの双方を大まかに比較できる)が前者には見当たらなかった。両者のグラフを見比べるとときどき大きく食い違う部分があり、データの集計や抽出方法が異なるのではないかと思う。(以下、クリックするとGoogle Insights for Searchの検索結果が開きます)
バリエーション vs. ヴァリエーション
バケーション vs. ヴァケーション
バイオレンス vs. ヴァイオレンス
バイブレーション vs. ヴァイブレーション
このあたりは「ヴ」が弱く、(少なくともインターネット上の検索ワードに関しては)マイナーな表記であると判明。ヘヴィー、サーヴィス、ネイティヴ、ヴェクトル、ヴィークルも同様。ヴァイオレンスの関連ワードはドメスティック・ヴァイオレンスのみだった。
イベント vs. イヴェント
ライブ vs. ライヴ
ドライブ vs. ドライヴ
バラエティ vs. ヴァラエティ
バージョン vs. ヴァージョン
イヴェント、ライヴ、ドライヴ、ヴァラエティ、ヴァージョンは全体の山は低いが、News Referenceが目につく。マスコミではそれなりに使われてるということかと。ドライヴはIT関連というよりカジノドライヴという競馬関連のキーワードで底上げされてるっぽい。ライヴとイヴェントはやはり音楽関係のキーワード多し。
ビジョン vs. ヴィジョン
ビジュアル vs. ヴィジュアル
バリアス vs. ヴァリアス
ボイジャー vs. ヴォイジャー
ヴィジョンはビジョンの1割と健闘、ヴィジュアルになるとビジュアルの1/4にまで肉薄。キーワード上位に「ヴィジュアル系」「ヴィジュアルバンド」「ヴィジュアル系バンド」が並び、この界隈ではヴィジュアルというコンセンサスが取れているようだ。ヴォイジャーの関連キーワードはスタートレックで独占(笑)。
ボーカル vs. ヴォーカル
ボイス vs. ヴォイス
バイオリン vs. ヴァイオリン
ヴォーカル、ヴォイス、ヴァイオリンと、音楽関連用語は強く支持されている。ヴォイスは今年に入って異常な伸び。初音ミクやPerfumeの影響?と思ったら、どうやらドラマの影響みたい(僕はTVを見ない人なのでよく知らないが)。
バージン vs. ヴァージン
ビーナス vs. ヴィーナス
イブ vs. イヴ
今回調べた中では、ヴァージンとヴィーナスがそれぞれバージンとビーナスに数値で勝っている=それだけ広く認知されているという結果に。イヴもイブの8割で、毎年クリスマスシーズンのみ突出というわかりやすい規則性が(笑)。固有名詞ではイヴ・サン・ローラン、パラサイト・イヴ、イヴの時間が目立つ。ヴァージンは旧ヴァージンシネマズ六本木ヒルズを含むヴァージン・グループの検索ワードがほとんど。
無作為に思いついた言葉で試した結果は以上。下らないっちゃ下らないが、面白かった。これだけではなにも確信的なことは言えないし、グーグルが日本語のデータをどう解析してるのかよくわからないけれど、ある程度の目安や傾向は察知できるのではと思う。
僕自身、「ヴ」の表記の仕方はけっこう適当だし、「Viral」は「ヴァイラル」より「バイラル」の方がよく使われるから後者にしたり、なんとなく見た目の座りや収まりのよさ(+目にする頻度や刷り込み)で決めている部分も大きい。90年代的な感覚でいうところの「ヴァイナル」や「ヴァイブ」を、じゃあいま日常会話で使うかっていうとまず使わないワケで。世間的には「Vagabond」は「バガボンド」で敷衍してるから、「ヴァガボンド」だと「なにそれ?」みたいな。そういうユレやズレも含めて、言葉と付き合っていけたら面白いと思う。
mnemonic memo: ヴの表記について(その1)
mnemonic memo: 「ー(音引き)」のナゾ
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