2010/01/27

2009年・個人的にお世話になった音楽BEST 1

'Who Is It' by Michael Jackson

昨秋、しばらく実家のある熊本に戻っていました。東京に戻る前日、阿蘇の西原村にあるオーディオ道場というところに遊びに行き、元・剣道場の建物内に所狭しとオーディオ製品が立ち並ぶ中で、50年以上昔のJBLのスピーカーやオーナー自作のカスタムメイドのスピーカー&真空管アンプで音を聴かせていただくという至福の時間を過ごすことが出来ました。

iPhoneに入ってた音源で唯一AIFFで高音質だった坂本龍一の「Out Of Noise」から「2 hwit」、オーナー私物のジャズCDから選んだマイルスの「死刑台のエレベーター」やケニー・ドーハムの「Afrodisia」、カサンドラ・ウィルソンの「New Moon Daughter」からホーギー・カーマイケルの「Skylark」とニール・ヤングの「Harvest Moon」、電気グルーヴの「虹」、道場に寄贈されたLPからキング・タビーやKLFの「Chill Out」など。LPはオーナーの若い友人の形見だそうで、WAVE六本木のシールが貼ってありました。僕とちょうど同じくらいの年齢だったということで不思議な縁を感じました。

帰る間際、道場のオーナーが前置きなしにいきなりマイケルの「Who Is It」をCDでかけたのですが、正直、それまで特に思い入れのない曲だったので、ニュー・ジャック・スイングな打ち込みリズム+分厚いシンセ・ストリングス+マイケルの声というシンプルなアレンジで構成された、ポップ・ソングとしてスムーズで完璧すぎて普段なら聴き流してしまうこの曲が、高密度で高解像度の音の塊として不意打ちのように目の前に立ち上がり、度肝を抜かれました。凶暴なアンビエントの暴風雨のような、鉄壁のウォール・オブ・サウンドに気圧された数分間でした。

オーナーに車で送っていただいて少し話をしたのですが、MP3用のアンプも開発中とのことで、ハイ・オーディオ信仰に釘を刺すように、音楽を聴くのにソースは関係ないとおっしゃっていたのが印象に残っています。もちろん、物見遊山で高揚したエゴトリップだったことを差し引くとしても、あの場所で聴かせてもらったマイケルが去年の音楽体験としてはベストでした(客がほとんどいなかったのをいいことに長居してしまい、きっと迷惑だったろうと思いますが、オーナーと娘さんの温かいホスピタリティには本当に感謝します。濃厚なチョコレートケーキも美味しかったです)。

ちなみに、西原村は全国から若いアーティストが集まり独自のコミュニティが出来てるそうです。この日も革のアクセサリー職人さんが西原村に移り住むための視察で神奈川から訪れていました。

オーディオ道場公式ページ

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