うたうたううただ
泣いタァッテェ
何も変わらないと
言われるけど
誰ダァッテェ
そんなつもりで
泣くんじゃないよ
雨ダァッテェ
雲の上に
飛び出せば
太陽ダァッテェ
手でつかめる
デビューシングル
タイムウィルテル
で宇多田ヒカルは
R&Bのボディに
母・藤圭子直伝の
クラい演歌の情念
の炎を注ぎ入れた
ダァッテェとタメ
て吐いた一呼吸の
フレーズの強さは
想いを消え去って
意味を飛び越えて
言霊は裸になって
声に乗り宙を裂く
ラジオのチューニ
ングのイントロが
ベタな日常の光景
をザッピングする
群像劇を予告する
ウタダの新しい歌
キープトラインは
こんな風に始まる
アイドントケア
アバウト
エニシング
どうでもいいって
かおしなぁがぁら
ずぅっとずぅっと
いのぉっていた
変幻自在のメロと
転調のネジレの妙
ウタダはサビより
そこに至るまでの
ブリッジのライン
がいつも冴えてる
したたかさと率直
さをミックスした
マイナーコードの
テクニシャンぶり
すくすくのびのび
と育った和魂洋才
がウタダのうただ
からデビュー時の
野性が戻ってきた
挑戦者のみ
もらえる
ご褒美ほしいの
少年は
いつまでも
片想い
情熱に
お値段
つけられない
キープトラインは
スキヤキは偶然で
エキゾチック日本
の術は通用しない
アメリカ進出の夢
の挫折という諦念
成就できない想い
オトナの開き直り
それらが複雑な味
で混ざり合ってる
ウタダはアムロの
優良不良少女にも
シイナの文学少女
にもなれないから
ヤンキーとオタク
というサブカルの
2大勢力とは無縁
だからイケてない
アーガイルの服も
猫耳も身につけて
公務員やサラリー
マンにも目配せし
お父さん
お母さん
お兄ちゃん
車掌さん
お嫁さん
キープ
トライン
トライン
とリフレインする
明るい人生応援歌
と思ったら足元を
すくわれるだろう
残酷なウィットが
この曲の要だから
彼女は道の真ん中
誰も歩いていない
ミドルオブロード
を歩いていってる
ずぅっとずぅっと
この狂気の沙汰の
ような現実の道を
●タイトル
キープトライン
●アーティスト
宇多田ヒカル
●プライス
1,100yen
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