空を見上げれば塔
渋谷の公園通りを
のぼっていくと、
国立代々木競技場
が目前に現れる。
優美な曲線を描く
巨大なコンクリの
塊はブラジリアの
ような近未来都市
の廃墟みたいだ。
でも同時に思う。
ヒトよりケンチク
の方がエバってる
よなぁと。
これを建てたのが
東京都庁で有名な
丹下健三。
大阪万博のお祭り
広場も彼の作品。
その真ん中に太陽
の塔を建てたのが
岡本太郎だ。
建築家と芸術家は
広場の屋根を太陽
の塔が突き破るか
どうかで、激しい
火花を散らした。
まさにガチンコ。
結局、岡本太郎が
勝ち、塔はすっく
と空に伸びた。
大阪万博の映像は
今見てもエグイ。
サンダーバードや
ウルトラマンらの
特撮を力技で現実
化しちゃった的な
トンデモ建築群は
大人のファンタジ
ー=妄想の世界。
日本の活力がモリ
モリあふれていた
その夢のあと。
愛知万博はコレに
比べれば、器も志
も小さすぎる。
それはさておき。
100年経てば、
ランドマーク建築
は廃墟になる。
ゴジラは東京タワ
ーを倒し、キング
コングはNYCの
摩天楼に上った。
21世紀のランド
マークを壊すのは
もしかしたら地球
そのものかも?
ニューオーリンズ
のハリケーンは、
地球沈没化の前兆
だと言われてる。
ニューオーリンズ
は奴隷貿易の拠点
で、白人の音楽と
黒人の音楽が衝突
し、ジャズが誕生
した20世紀音楽
の処女地だ。
言ってしまえば、
グラウンドゼロ。
ガンボシチューの
ようにグツグツと
煮えた混血音楽が
サッチモの人肌の
ジャズがこの地で
生まれた。
そこが水没した。
偶然にしては出来
すぎのシナリオ。
この文明が無限に
続くことはないと
いう漠然とした、
でも確かな兆し。
J.G.バラード
のSF小説「沈ん
だ世界」を思い出
してしまう。
100年後の沈没
した廃墟の世界で
鳴ってる音をまだ
誰も知らない。
僕らはもうそこに
は生きていない。
ノーライフ
ノーミュージック
●タイトル
ドクタージョンズガンボ
●アーティスト
ドクタージョン
●プライス
1,279yen
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